「貢献できる仕事がしたい」は志望動機になるか?

2014/04/14(月)

「社会に、世界に、貢献できる仕事がしたい」という志望動機をいう人がたまにいます。というか、最近そういう学生が多い気がします。学生から社会人となり、自分のした仕事が世の中の役に立っていく、というのはとても感動的でわくわくします。なので、「貢献できる仕事がしたい」という気持ちはわかります。ただ、これって志望動機になっていないですよね。

仕事をしてお金をもらうってことは、誰かがその仕事によって助かっているわけですよね。だからその人はお金を払うんですよね。ということは、どんな仕事でも社会に貢献していると言えるわけです。影響度合いの大小はありますが、貢献していない仕事なんていうのはないんですね。

自動車業界であれば、車によって多くの人が短時間で自由に移動することができるようになりました。こうして、豊かな社会づくりに貢献しています。飲食業界であれば、食事によってみんなの食欲を満たしたり健康をうながしたりして、生活向上に貢献しています。プロ野球選手だって、子供にも大人にも夢や感動を与えているんだから、また違った意味で貢献できていると言えます。

つまり、貢献できる仕事というのは、すべての仕事に対してあてはまるので、「その企業を選んだ理由」にはなっていない、ということですね。

また、「たくさんの人に貢献したい」という理由で、インフラ志望という子もときどき見かけます。だから、電気だ、ガスだ、鉄道だ、と。しかし、人の多さで言えば政治家の方が影響を与える人が多いですよね。「必要不可欠な産業だから」といっても、金融だって小売だって農業だってなくなったら大変ですよね。

どういう志望動機であれ、自分に関する理由じゃないと、おかしいと思います。自分の今までの経験や価値観、考え方に照らした志望動機になるのが自然だと思います。