就職後転職か、就職留年か

2014/08/07(木)

前回の「就職留年は不利になってしまうのか」に引き続き、就職留年について、です。

前回の話では、「就職留年で不利になったら嫌だなぁ」って思ってる人に、「就職留年で増えた一年を有意義に使って、不利にならないようにすればいい」という趣旨のことを書きました。ただ、これだけ書くと、就職留年を勧めているように思われるかもしれないので、もう少し付け足したいと思います。

志望している企業からは内定がもらえず、他の企業から内定が出ている人。こういう人が、そのまま就職した方がいいのか、それとも、就職留年をし、来年もう一度第一志望の企業を受けた方がいいのか、を考えてみたいと思います。

第一志望ではない企業に就職する場合

「一度就職して、嫌だったら辞めればいい。一度働いてみて、それでも第一志望の企業をあきらめられなければ、その時に辞めればいい」と考える人がいます。しかし、それは言うほど簡単ではありません。

まず、日本において、「会社を辞める」というのは相当大変なことです。「会社の辞め方」というのは、普通は誰かが教えてくれるものではありません。自分で調べなければいけません。しかも、まわりにばれるといろいろ面倒なので、こっそりする必要があります。

また、実際に辞める時には、自分の抱えている仕事を誰かに引き継いだりせねばならず、これも相当大変です。自分が辞めた後、すぐに誰かが補充されるとは限らないので、一時的にまわりの人の業務量が増えます。たいてい、嫌な顔をされます。こういうのを想像すると、辞めるのが億劫になってきたりもします。アルバイトを辞めたことがある人は、こういった状況を想像しやすいかもしれません。

さらに、転職するには、自分の価値を高めておく必要があります。これもなかなか大変です。第一志望だった企業へ転職しようとする場合、「前の会社で何をしてきたのか、うちの会社で何ができるのか」が問われます。新卒で就活をしていた時よりも、即戦力を求められるようになります。ということは、前の会社である程度成長しておかなければいけません。しかし、会社に入って数年で、他社でも通用するスキルを身につける仕事ができるか、そういう部署に配属されるかはわかりません。

また、そもそもですが、日本の転職市場はそんなに発達していないため、ある企業に転職したくても、応募すらできないということもあります。

「辞めればいい」と簡単に言う人がいますが、現実には相当レベルの高いことなんですね。

就職留年する場合

一方、就職留年をした場合のことを考えてみましょう。この場合に考えなければいけないのは、「来年就職できなかったときどうするか」ということですね。

「不利にならないように一年間を使えばいい」と言いましたが、すべての企業が「就職留年でも構わない」と判断するわけではありません。行きたいと思っている企業が、「就職留年の学生をあまりとらない」という方針にしているかもしれません。これは、説明会で質問しても正直に答えることはないので、外部の人間からは絶対にわかりません。このリスクをおかしてでも、また来年受けたいのかどうかを考えなければいけません。

来年に第一志望の企業から内定が出なかった場合、次もまた留年するというのはなかなか難しい選択だと思います。どこであきらめるのか、あきらめポイントを設定しておく必要があるでしょう。

まとめ

結局は、その第一志望にどれだけ行きたいか、そしてその可能性がどれくらいありそうなのかにかかっています。すべて自分の思い通りに行くなんてことは、このさき絶対にありません。上で述べたことを参考に、自分の納得する落としどころを探ってください。