コミットメントラインは違法?

2008/10/26(日)

コミットメントライン契約を結ぶと
企業は借りたい時に銀行からお金を借りられます。
そのかわりに企業は契約時に銀行に高い手数料を払います。
でも、この手数料が違法ではないか?といわれてた時があったんです。

手数料ってのは契約する時に払うんですが、
その時、将来企業がどれだけお金を借りるかはわからない。
借りれる限度額は決めるけど、そんなにたくさん借りるかはわかりません。
もし、あんまり借りなかったとしても、手数料は戻ってこない。
銀行からするといつでも貸せる準備をしてたんだから
手数料を返す必要はないわけです。

実は、借りたお金につく利息には制限があります。
あまり高い利息をつけたらダメ、という法律があります。
コミットメントラインでは手数料といってるけど、
法律上は、払ったお金はすべて利息とみなされます。
つまり、手数料が高いということは、利息が高いということ。
企業がお金をあまり借りなかったら
とても高い利息を払った、ってことになる。
早い話が、違法になる、ってこと。

企業の借りるお金が少ないと違法になってしまうかもしれない、ということから
昔、銀行はこのコミットメントライン契約に消極的でした。

ところが、「特定融資枠契約に関する法律」という法律ができました。
コミットメントライン契約についての特例をみとめる法律です。
この法律では、コミットメントライン契約で用いる手数料は
「例外的に」利息とは考えないことにしよう、となっています。

もともと高い利息をつけてはいけないという法律ができたのは、
弱者保護のためなんです。
どうしてもお金が必要な人にものすごい高い利息でお金を貸して、
もしお金が返せなくなったらトラブルになります。
利息だけがどんどん膨れ上がってしまうから。

こういうことにならないように利息に制限をつけてるんですが、
コミットメントラインの場合は、多くが大企業と銀行との契約。
あまり上のような心配はしなくていいんですね。
というわけで、特別に法律ができて、
コミットメントラインを使っても違法にはならないことが保証されたんです。

それからは銀行も積極的にコミットメントライン契約を結ぼうとし、
利用している企業も多いみたい。
めでたし、めでたし、というわけです。

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