「お祈り」不採用理由を教えてくれない理由再考

2014/04/22(火)

就職活動をしていると、もらいたくない「お祈り」というのがあります。いわゆる、「お祈りメール」。「今後のご活躍をお祈り致します」などと文末に書かれた、企業からの不採用通知のことですね。検索してみたら、ウィキペディアにも項目として載っています。

お祈りメール – Wikipedia

これに対し、「なぜ不採用になったのか」というのが気になるところ。大学入試のように点数で決まるなら、合格点に届かなかっただけだと理解できます。しかし、就職活動の場合は、点数で評価されるわけではありません(会社によっては筆記試験をするとこもありますが)。しかし、聞いたところでほとんどの場合教えてくれることはありません。

就活生が不満「お祈りメール」 学生に「不採用の理由」を聞く権利はないのか? – BLOGOS

この記事からわかるのは、「企業が採用するもしないも自由なので、採用しない理由をわざわざいう義務はない」ということですね。もちろん学生も応募する・しないは自由だし、途中で辞退するにしても「他の会社に決まった」っていえばいいわけですからね。企業が「他の人を採用したから」というのと同じ感じですかね。ま、この回答は「なぜ自分ではだめなのか」にこたえていないので、回答になっていない気がしますが。

以前このココっス就活版でも、次のような記事を書きました。

なぜ落ちたかききたい | ココっス 就活 版

不採用理由をいうとトラブルの原因になるからではないか、と書きました。なぜトラブルにある可能性があるのか、もう少し考えてみたいと思います。

不採用になるのには、レベルがあるのだと思います。まずは、そもそも社会人としてダメというレベル。時間を守らないとか、言葉遣いがおかしいとかですね。こういう人は精神的に幼い可能性が高いと予想されます。不採用の理由を言うと、逆ギレされることもあるでしょう。怒らせないように伝えるというのは、難しいと思いますね。

次に、能力が足りてないというレベル。海外で働きたいと言っているのに英語が全然できないとか、研究職で働きたいと言っているのに研究内容の専門性が低いとかですね。こういう人にも、不採用理由を言うのは大変難しいと思います。

そして、優秀なんだけどその会社にはむいていないんじゃないかというレベル。学生の人柄と会社の雰囲気が違いすぎるとか、その学生がやりたいと思っていることがその会社でできる実現性が低いとかですね。その学生が悪いとかじゃなくて、学生と会社の向いている方向性が違う、というのが理由なので、他のパターン対比伝えやすいのではないかと思います。また、このレベルだと、「話せばわかる」という希望が見えてきます。

このように、不採用になるのにはレベルがあり、各レベルによって不採用の理由を伝えたときの学生の反応も変わってきます。大体の場合はトラブルに発展する可能性を秘めています。また、一部の学生には伝えて他には伝えない、という対応をすると、これもまたトラブルに発展するかもしれません。なので、どの企業も、不採用理由をそもそも言わないことにしよう、という対応になるのだと思います。