アメリカと日本の就職状況の違いって、転職市場の違いだと思う

2014/06/09(月)

アメリカでの就活の話がニュースに上がっていました。

大学卒業の学歴を持つ22歳から27歳の若者の失業率は2013年に5.6%と、景気後退の谷を形成した2009年の6.4%から改善されている。しかし、過去3年間に就職した22歳の大卒者のうち、半分以上が大卒の学歴を必要としないポストに就いた。

米就活:大半が学歴不要のポストで妥協-急がば回れで成功も – Bloomberg

この記事でもわかる通り、今のアメリカでは、専門知識を活かした就職ができる学生がいる一方、条件をだいぶ妥協して就職する人も多い。就職してすぐは無給インターンとなる場合もある。なぜこんなことが起こるかと言えば、「労働市場において、新卒はほとんど全員無価値」と考えられているから。

日本でも、たいていの新卒は労働市場的には価値はないんだけど、良さそうな学生を採用し、内部で育てて優秀な社員に育てようという考えがあるので、入社していきなり給料がもらえる。優秀な10年選手を外部から採用するより、10年かけて内部で育てた方が安い、と考えているのだろう。

もし、日本での労働市場が今よりも活発になって、優秀な社員を外部から手ごろな値段で引っ張ってこれるようになれば、新卒の価値が今より下がるかもしれない。「今は新卒一括採用なので、就活の競争が激しい」などと言われるけれど、キャリアを積んだ人たちとの競争になれば、もっと競争は激しくなる。そもそも、まず一勝、ということさえ難しくなる。どっちの世界がいいかなんて、すぐには決まらないと思う。