わかりやすいだけじゃない

2008/10/26(日)

コミットメントラインというのは、
借りたい時に借りたい分だけ借りれるというわかりやすい商品。
この金融商品を、もう少し詳しく見ていきましょう。

たとえば、ある企業が新しい商品を作ろうと考えたとします。
商品を作るには工場が要る、金が要る。
工場を作ると、機械や働く人が要る、金が要る。
商品を作るには原料が要る、金が要る。
商品を作ったら店に運ぶから、また金が要る。
と、まぁ何をするにしてもお金が必要になります。

お金を借りるたびに銀行と契約して・・・ってのはめんどくさい。
これから先、何回もお金が必要になるということがわかっているのだから、
「貸して」って言ったらすぐ貸してくれると便利ですよね!
それを実現してくれるのが「コミットメントライン」。

しかし、
「はじめに一気に全部借りたらいい」と思う人もいるかもしれませんね。
でも、そんなことしたら会社は損をしてしまいます。

例えば、トータルで100億円必要だけど、
すぐに使うのは1億円だったとします。
もし、いっきに100億円借りてしまうと、
今すぐには必要のない99億円が余ってしまう。
その99億円にも利子がつきます。
会社は無意味な利子を払うことになりますよね。

また、会社が借金だらけになってしまう、というデメリットもあります。
急に多額のお金を銀行から借り入れたら、
「ひょっとして、この会社危ないのかな?」と思われてしまいます。
一気にお金を借りるのはよくありません。

お金を借りる度に契約をするのは、会社にとってはとっても負担。
もちろん、銀行にとっても負担です、仕事が増えるし。
コミットメントラインを活用することで企業の動きは迅速化するんですね。

コミットメントラインの契約の際、主に決めることは、
この契約がいつまで有効か?と融資枠はいくらにするか?の2点。
もし1年契約だったとしたら、1年後に「お金を貸して」と銀行に言っても
新たに契約しなくては貸してくれません。
また、融資枠を越える金額を貸してといっても
それもコミットメントラインとはまた別に話し合いが必要になります。
「いつでもいくらでもオッケー」ってのに
ある程度の限度をつけないといけません。
ま、当たり前の話ですけどね。

今回は、コミットメントラインを説明し、
コミットメントラインを使うメリットや、
使わない時のデメリットを取り上げてみました。
次回は当座貸越との類似点と相違点を述べます。

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