先物取引をサクっと

2008/10/25(土)

デリバティブの一種、先物取引をサクっと紹介します。

「先物取引」ってのは読んで字のごとく、
「物の取引よりも先に行う取引」のこと。
つまり、「『将来』の時点で商品を取引することを、『今』の時点で約束する」。
これは前でもみたとおり、デリバティブの特徴ですね。

先物取引にもいろんなものがあるけど、ここでは為替予約を見てみましょう。
銀行では昔からある金融商品です。

為替予約で取り扱う主な商品は「円」や「ドル」や「ユーロ」など。
これらを「今」交換するのではなく「将来」交換するという約束をする、
そしてどういう割合で交換するかを今のうちに決めておく、
これが為替予約。

でもなぜ今交換せずに将来交換するんでしょう?
将来交換するのってめんどくさい感じがしますよね??

これには、2つの目的があります。
それは「投機目的(金儲け狙い)」と「ヘッジ目的(リスクを減らす)」。
具体的な例で見ていきましょう。

「投機目的」で為替予約を利用するってのはどういう場合か?
もし「円」を「ドル」にかえたいとしましょう。
このとき、できればドルが安い時に交換したいですよね。
ドルが安いと同じ金額の「円」でもたくさんのドルと交換できますからね。

例えば今「1ドル=110円」として、
一年後に「1ドル=110円」で円をドルにかえる為替予約があったとします。
もし今よりも一年後のほうがドルが高くなってると思ったら
今の安い割合で交換する方が、
一年後の高い割合で交換するよりオトクなわけです。
だから、「今の割合で将来交換する」と、今のうちに約束しておくわけです。
こうやって為替予約は使われます。

もちろん、将来ドルが安くなってるか高くなってるかはわかりません。
将来ドルが高くなってたら、まわりよりも安い割合で交換できるし、
安くなっていたら、まわりよりも高い割合で交換しないといけません。
将来高くなると予想した通貨を安い値段で買う予約をして儲けよう、
これが投機目的の為替予約。

では「ヘッジ目的」の為替予約ってのはどんなものか?
ある輸入貿易会社が、商品と引き換えにドルを支払うとしましょう。
さらに、その支払いが来月になっていたとします。

もし今「1ドル=110円」だったとする。
でもひょっとしたら将来ドルが高騰しているかもしれません。
高くなってたら円をドルに交換する時に損してしまいます。

そこで為替予約の登場。
来月ドルが高くなりすぎたら困るので
ドルを円で買う価格を、妥当な値段で今のうちに決めてしまいます。
つまり、今のうちに「来月は1ドル=110円で取引する」と約束をするんです。
もちろん来月ドルが安くなってたとすると、交換できるドルは減りますが、
それは被害をこうむる損ではないんですね。
会社としては、必要な金額が今わかるので、商売がしやすくなります。

将来の価格変動を避けるために、妥当な価格で取引する約束を今おこなう、
これがヘッジ目的の為替予約。

どうでした?
今取引するんじゃなくて、将来取引するっていう約束だけをする理由、
わかりましたか?
今回は先物取引の例、為替予約をみましたが、
次回は「オプション」について話そうと思います。

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