スワップで何を交換?

2008/10/25(土)

今回はスワップを取り上げます。
その中でも特に「金利スワップ」と呼ばれるものを紹介します。
もともとスワップというのは「交換する」という意味があります。
金利スワップというのは、金利を交換することです。
ってでもこれじゃなんのことかわからないですね。

金利とは、借りたお金につく利子のこと。
この金利には、借りたお金を返すまで変わらない固定金利と
一定期間ごとに金利を見直す変動金利があります。
見直すときには、その時の金利を参考にします。

もし固定金利でお金を借りてて、金利が下がったとしたら、
高いままの金利でお金を返し続けないといけない。
変動金利でお金を借りてて金利が上がったなら、
支払わないといけないお金も増えてしまう。

つまり、将来金利が下がると思う人は変動金利にしたいと思うし、
金利が上がると思う人は固定金利にしたいと思うわけです。

そこで登場するのが「金利スワップ」。
「固定金利でお金を借りてるが金利は下がると思っている人」と
「変動金利でお金を借りてるが金利は上がると思っている人」を交換するんです。
ちょっと話がややこしくなってきたので、名前をつけて説明しましょう。

A会社がB銀行から固定金利でお金を借りてました。
しかし、A社は変動金利に変えたいと思うようになりました。
そこで、C銀行と金利スワップの契約を結ぶことにしました。
これでA社の固定金利とC銀行の変動金利を交換することになりました。

ただ、B銀行が取引しているのはA社なので、
C銀行がA社の固定金利を直接B銀行に払うようなことはしません。
もともとA社がB銀行に払うべきだった固定金利を、
C銀行がA社に払っておくわけです。
逆にA社はC銀行に変動金利を払う、というわけ。

つまり、A社がB銀行に払うべき固定金利を、C銀行があらかじめA社に渡しておき、
A社はC銀行に変動金利を払う、
これが「金利を交換する」という意味です。

上のような固定金利を変動金利に変える金利スワップでは、
一般的に会社の財務体質が安定します。

一般に金利が高いと景気もよく、会社の利益も多いので、
変動金利でもそれほど大きな損は出ないし、
会社の利益が少ない時は、一般に景気が悪く金利も低くなっているため
変動金利による支払も少なくなります。
企業は景気による収入のブレをあらかじめ防ぐことができるので
財務体質が安定するんですね。

どうでしたか?
金利を交換するメリットわかりました??
次回はデリバティブのまとめをしたいと思います。

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