命題 ~否定
ここでは
「すべて○○である」の否定を考えます。
これは命題の対偶を考える時に必要になるので
まず押さえておくべき事柄です。
世の中の高校には、三種類あります。
共学、女子高、男子校。
言い換えれば、それぞれ
男子も女子もいる高校、女子しかいない高校、男子しかいない高校。
(ひょっとしたら共学でも、男子ばかりとか女子ばかりということもあり得ますが
ここではそういう学校はないと仮定しておきます)
女子高というのは
「生徒はすべて女子」の高校のこと。
では、「すべて女子」の否定を考えてみます。
この否定は「すべて男子」だろうか???
実はそうではありません。
「すべて女子」の否定が「すべて男子」なら
共学の高校はどっちに入るのだろうか?
「すべて女子」でも「すべて男子」でもない?
数学の世界では
「Aである」か「Aでない」のどちらかしかありません。
今の場合であれば
「『すべて女子』である」と「『すべて女子』でない」の
どちらかしかありません。
このどちらにも所属しないものがあってはいけないのです。
つまり、上のような
「共学の高校はどちらにも属さない」なんてことはあってはなりません。
これは「すべて女子」の否定は「すべて男子」という考えが
間違っていることを示しています。
女子高でない高校は共学と男子校である。
だから「すべて女子」の否定は共学と男子校のふたつを
あらわすものでなければなりません。
答えを書くと「男子生徒が少なくとも一人いる」となります。
これだとつじつまが合いますよね。
女子高の生徒は「すべて女子」、
男子校、共学の生徒は「男子生徒が少なくとも一人いる」。
ちゃんと二つに分かれています。
どちらにも属さない、なんてことがありません。
以上のことからも推測できるが
「すべて○○」の否定は「○○でないものが少なくとも一つある」となります。
よく
「すべて○○」の否定は「すべて○○でない」とやってしまいがちですが、
それは間違いです。
否定がわかると対偶などでそれを使うことができるようになる。
それは「命題 3段論法と対偶」で見てみましょう。
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