プロジェクトにお金を

2008/10/25(土)

前回で予告したように「プロジェクトファイナンス」の説明を。
プロジェクトファイナンスは前もいいましたが、
「会社ではなくプロジェクトに対してお金を貸す」という方法。

会社が何か新しいことを始めようと思ったらお金がいります。
そのお金を会社ではなくプロジェクトに貸すということは、
プロジェクトが成功したらその利益からお金を返してもらう、
もし失敗しても会社は責任を負わなくていい、ってことです。

でもこれだけ聞いてもメリットがわかりにくいかもしれないので、
プロジェクトファイナンスが企業にとって
どんないいことがあるかを説明します。

まず、当たり前ですが、企業が抱えるリスクは減ります。
新しい事業がポッシャってもお金返さなくていいんですから。
ま、その分、新規事業が成功するかどうかを
銀行がしっかりと見極めないといけなくなるんですけどね。

会社が借金まみれにならなくてもいい、というメリットもあります。
このプロジェクトファイナンスを利用する時は、
新規事業を専門に行う専門会社を作って
そこでプロジェクトを進めていきます。
つまり、借金はその専門会社が背負うことになり、
元の会社は借金を背負わないことになります。

また、銀行から借りれるお金は、会社の規模によって変わるから、
小さい会社だとあまり借りれなかったりします。
しかし、プロジェクトファイナンスを利用する時は
会社の規模ではなく、あくまでもプロジェクトそのものが見られます。
だから、借りれる資金も増えるかもしれません。

こういったメリットがあるのでプロジェクトファイナンスが利用されます。
ただ、銀行からすると結構リスクが多い。
だから、絶対に販売できる商品、例えば電力や水道などのインフラに関するものなど
利用されるプロジェクトは限定されています。

また、銀行が抱える様々なリスクを減らすため、
リスクを軽減する策をあらかじめ議論したり、
企業間でのトラブル等を防ぐためにたくさんの契約書を作成したり、と
時間と手間がとてもかかる。
その分、銀行は手数料をもらいます。

プロジェクトファイナンス。
名前も大げさですが、中身もすごいんですね。
上でも言ったけど
プロジェクトファイナンスは、インフラに関するものなどに使われる。
でもそれって莫大なお金を融資することになります。
「この莫大なお金を銀行はどう出すか?」を次回で取り上げます。

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